ラトックシステム
独自方式スマートメディアアダプタPCカードREX-SMA01について
(1998.12.24)
ラトックシステムは、ATA方式でないスマートメディアアダプタREX-SMA01Vを開発しました。
「ATA方式でない」方式とはどのようなものか、解説していくことに致しましょう。
【スマートメディアについて】
- 小型のメモリカード
フラッシュメモリチップをプラスチックのベース(ベースカード)に載せ、カード面に電極を引き出したシンプルな構造をしています。
- デジタルカメラほかPDAなどのモバイル機器でも採用
そのコンパクトさとメディアの安さから、多くのモバイル機器で採用されています。
また携帯用オーディオ機器にも、普及しそうです(1999年春頃)。 - 東芝が開発し規格を提唱
オリンパス光学工業、セガ・エンタープライゼス、東京エレクトロン、東芝、富士写真フイルムが中心となってSSFDC(Solid State Floppy Disk Card)フォーラムを設立、規格の普及・促進を図っています。
弊社はSSFDCフォーラムのメンバーです。
- 現在は最大容量16MB、近々32MBのメディアも発売
現在のスマートメディア最大容量は16MBですが、近々32MBのメディアも発売されます。 スマートメディアのロードマップでは、最大128MBまでとなっています。弊社のスマートメディアアダプタは128MBまで対応予定です。
- 動作電圧5V仕様と3.3V仕様
スマートメディアには動作電圧5V仕様(4MBまで)と3.3V仕様があります。弊社のスマートメディアアダプタは両方に対応しています。
-
【スマートメディアアダプタについて】
- 以下の図は、ATA方式とREX-SMA01で採用した独自方式のスマートメディアアダプタにおけるデータの流れをあらわしています。
- ATA方式
ATA方式の場合はアダプタ上に「IDEコントローラ」があり、これが「スマートメディアをハードディスクに見せかける処理」を行っています。
パソコン側からスマートメディアへのアクセスは、ハードディスクと同じく、セクタ(いくつかのバイトのかたまり)単位で処理が行われています。
OS標準のドライバが使用できる手軽さの反面、IDEコントローラにあらかじめ埋め込まれた処理は変更できませんので、仕様の変更や不具合などが生じた場合アダプタ本体を買い換えることになります。(例えば、初期のIDEコントローラは16MB以上のスマートメディアに対応していませんでした)
またスマートメディアのデータは、ページ単位(512バイト)で読み書き、ブロック(4〜8Kバイト)単位で消去するため、アダプタ上にそれらを一時的に格納するためのバッファRAMが必要となります。さらに、それらの処理をコントロールするファームウェアが格納されているROMも搭載しています。
このような複雑な構造を持つこともあり、ATA方式のスマートメディアアダプタはやや高価なものとなっています。
- 弊社独自方式
弊社のアダプタには「IDEコントローラ」「バッファRAM」「ファームウェアROM」を搭載しないコントローラチップ「RG85539」が採用されています。データ処理はソフトウェア(ドライバ)側で行っており、ATA方式では実現されていない問題を、ドライバにより解決することが可能になりました。
- リムーバブルディスクとして認識
リムーバブルディスクとして認識。Windows95/98におけるメディアの抜き差しが容易になりました。(メディア交換の際、「PCカードの中止」を行う必要がありません)
- IRQを使用しない
IRQ(割り込み番号)を使用しないため、IRQの空きがないパソコンでも使用できます。 - ライトプロテクトシールを貼っていてもエラーになりません
仕様の変更や今後発生する不具合に関しても、ドライバのバージョンアップにより対応できる可能性があります。
また、弊社のコントローラチップ「RG85539」ではバイト単位のアクセスが可能ですので、ソフトウェアを開発することによりセキュリティ機能をもったスマートメディアシステムなどへの応用も考えられます。
なお、最近多く出回っているPCカードを直接挿入するタイプのビデオプリンタなどは、ほとんどがATA方式をとっているため、弊社スマートメディアアダプタは使用できません。ご注意下さい。
- リムーバブルディスクとして認識
- ATA方式
【製品仕様】
- SmartMedia Adapter PC Card : REX-SMA01V
- Parallel SmartMedia Reader/Writer : REX-SMA02
※REX-SMA01Vと同じコントローラチップを採用しています - SmartMedia Controller chip : RG85539
【スマートメディア参考ホームページ】
- SSFDCフォーラム:http://www.ssfdc.or.jp/
最新技術情報トップページ