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導入事例
指紋で個人認証の精度を高め機密情報を守る


指紋認証システムで安全性と利便性を両立
回復期リハビリテーション病棟を持ち、リハビリテーションに特に力を入れていることで知られる「花の丘病院」は三重県松阪市にあります。地域から信頼される医療施設として、充実した医療サービスの提供はもちろん、情報セキュリティ面でも充実した体制を整えています。今年5月にはSREX-FSUシリーズの運用を開始、情報の安全性をさらに高めています。

緑に包まれた閑静なリハビリテーション病院
  松阪市郊外の閑静な丘陵に立つ「花の丘病院」は、近隣の介護老人保健施設「カトレア」と同じく医療法人松徳会が運営する療養型病院として2002年8月に設立されました。緑に包まれた環境のもと、リハビリテーションを含む充実した医療サービスと、行き届いた介護サービスを提供しながら、楽しい雰囲気の中で「自立」と「家庭復帰」を目指すための支援を行っています。
  花の丘病院ではさまざまな医療設備に加えて、ITシステム環境についても積極的な姿勢を持ち、メーカーお仕着せのパッケージシステムではなく、コストパフォーマンスを重視した独自のシステムを運用しています。基幹となるオーダリングシステムのクライアント数は17台で、これを操作する職員の数は約70名です。
  情報漏えいを防ぎ、医師や看護師、事務員など端末を操作する人ごとに異なるアクセス権限に対応するための個人認証については、ネットワーク・セキュリティと共に重要なテーマとして取り組んでいます。2002年のスタートから5年を経過した2007年春、オーダリングシステムの見直しが行われ、その一環として利用者の個人認証に指紋認証が採用されることになりました。
 

個人認証の精度を向上し利便性を向上
  それまでのIDとパスワードによる個人認証から、指紋認証による個人認証へと移行した最大の理由は「個人認証の精度向上と利便性の向上」(花の丘病院・情報システム担当・寺口幸生氏)を目指したものです。
花の丘病院
寺口幸生氏
 

IDとパスワードによるそれまでの個人認証で問題が生じていたわけではありませんが、パスワードは長ければ忘れる可能性があり、短ければ危険性が増します。生体認証の採用は、この問題の抜本的な解決を目指したもので、今回のシステム改善の大きなポイントともなっています。

  指紋をはじめ虹彩、静脈などさまざまな生体認証手法が実用化されている中、同病院が採用したのは指紋認証です。
  「生体認証にはそれぞれ一長一短があり、どの生体認証手法がベストかは一概に言えるものではありません。さまざまに商品化されている生体認証システムを選択するに当たって最も大切なことは、その生体認証を真に有効活用するための環境が整えられているかどうかです」というのが、同病院のオーダリングシステムを手がけるエイトス・神智春部長の指摘です。そしてこの環境が充実していると判断されたのが、ラトックシステムの指紋認証システムで、開発ツール「SDK」の無償提供が大きな魅力とされています。

指紋認証を活かすための開発ツール「SDK」
  同病院で使用されるクライアント端末の多くは特定個人のものではなく、アクセスを許可された職員なら誰もがいつでも自由に使える環境です。特定個人に割り当てられたクライアント端末に一度ログインすればOKの一般企業とは異なり、利用しようとするたびにログイン操作が必要です。
  このログイン操作が簡単になり、しかも厳密な個人認証が可能になるということで、指紋認証システムには大きな期待が寄せられています。しかし生体のさまざまな特徴をセンサーで認識することについては、技術がいくら向上しても100%の認識は不可能という永遠の課題もあり、生体認証といえども決して万能ではありません。
  例えば水仕事が多い人など指紋の彫りが浅くなり、指紋を登録することが難しくなることもあります。また同じような指紋パターンを持つ人が複数いる場合には判別が困難になるなど、実用面でクリアすべき問題はまだ残されています。同病院でも例外ではなく、指紋認証を実践するに当たってさまざまな問題が生じています。
  この問題を解決し、指紋認証をシステムに組み込んで有効活用する上で大きな戦力となるのが開発ツール「SDK」です。「同じ指紋パターンを持つ人がいたとしても、必ずどこかに相違点は見つかるので、その微妙な違いを判別できるように設定を工夫するなど、SDKを利用することで運用上の問題はほぼ解決します」(エイトス・神智春部長)というように、開発ツール「SDK」の有効活用が指紋認証を成功に導く秘訣となっています。

指紋による即時ログインを実現
  指紋認証の活用では、IDと指紋認証を組み合わせる使い方と、指紋だけで個人認証を完了する二通りの方法があります。IDと指紋認証を組み合わせる方法が一般的ですが、指紋認証だけでOKとなれば利便性は向上します。同病院ではほとんどのログインにおいて、指紋認証のみによる即時ログインを実現しています。
 

「指紋認証であれば、IDやパスワードのように他者に漏れることを心配する必要がありません。しかも簡単迅速なログインが可能になったことで、ユーザーの評価は上々」(花の丘病院・寺口幸生氏)とのことで、センサーに指を置いてから認証が完了するまで現在のところ約0.5秒となっています。

  医療機関が持つ個々人の身体情報は、個人情報の中でも最高度の機密情報とされています。この機密情報をガッチリと守りながら、さらなる利便性を追求するために、ラトックシステムの指紋情報システムも陰ながらお役に立っているようです。

取材日:2007年7月

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