〜Bluetooth 4.0+LE 紛失防止タグ REX-SEEK2編
列車の座席やホテルの部屋へ戻るときの手がかりに(福島県 Y様)
(本レビューは2015年6月現在のものです)
はじめに
今回、私がこの商品に興味を持った理由の一つに、全盲の自分が、列車の指定席やホテルの自室を見つける手がかりとして使えないかということがあった。また、iPhoneを親機にできるというスマートさも魅力に感じた。そのようなことからモニターに応募し、1ヶ月ほど使わせていただいた。使ってみる
準備
まずは、パッケージを開け本体を取り出す。500円硬貨ほどの本体の一部から絶縁シートが飛び出しているので、それを引き抜く。この辺は全盲の私でも難なくこなせる。次はペアリング。App Storeからアプリを探す。アプリの名前が分からないため、とりあえず「ラトックシステム」と入力。検索すると「REX-SEEK2」というアプリを見つけることができたので、インストールする。ほっと一安心である。
アプリを立ち上げてみると、意外にもボイスオーバーとの相性が良く、すべてのボタンが音声で案内される。これは偶然なのか、意識して作られたものなのかは分からないが、この仕様は今後も是非継続してほしいものだ。さて、早速REX-SEEK2を呼び出してみる。「ピロピロピロリー」と電子音が鳴る。部屋の中では十分な音量ではないかと感じた。
タグからiPhoneを呼び出し
次に、REX-SEEK2本体のボタンからiPhoneを呼び出す。「ビッビッビッ」と先ほどより大きめの電子音が鳴る。こちらも特に問題なし。ところがだ。iPhoneでアプリを終了させてから、REX-SEEK2のボタンを押しても無反応なのだ。これはちょっと予想が外れた。ということは、常にバックグラウンドでアプリを立ち上げておかなければ、行方不明になったiPhoneを探せないということなのだ。こまめにアプリを終了させる私にとっては、少々困った仕様である。結局、固定電話や2台持ちのガラケーから電話をかけるしかないようである。この辺、どうにか改善できないものだろうか。アップルの制約であるというならば仕方はないが。
*** 補足 ***
iOSでは、アプリを起動しておく必要があります(バックグラウンド起動でもかまいません)。Android版では、2015年8月公開アプリより、アプリを終了させてもバックグラウンドで動作している場合は、タグとの接続を維持するように改善しました。
戻る場所の手がかりに
新幹線で使う
後日、新幹線に乗る機会があったので、自席にたどり着けるかどうか試してみることにした。いつもならば、席を見つけやすいよう入り口近くの指定席を取るのだが、今回は自由席。しかも、車両の中程しか空いていないということで、試すには絶好の条件である。シチュエーションとしては、トイレに立った帰り、REX-SEEK2の音を頼りに自席に戻れるかというものである。まずは、音が聞こえやすい位置にREX-SEEK2を取り付ける。しかし、ここで困ったことが一つ。ストラップのカラビナが小さいため、意外と付ける場所がないのである。シートポケットに入れようかとも思ったのだが、本体が小さく、ネットの隙間から落ちてしまいそうだ。悩んだあげく、鞄のショルダーベルトにある金具に取り付けることにした。是非、ストラップの改良をお願いしたい。
その後、iPhoneを持ちトイレへ向かう。あらかじめアプリを立ち上げておき、ロックを解除すればすぐに操作できるよう準備しておいた。トイレからの帰り、いよいよ実験開始である。デッキから室内に入り、ある程度中に進んだところで呼び出しボタンを押す。すると、蚊が鳴くような音でそれらしき音が聞こえる。さらに奥へと進み、なんとか自席にたどり着くことができた。新幹線の走行音は、思っていた以上に呼び出し音をかき消してしまうようだ。音量が調整できる仕様であれば良いと思った。また、片手に白杖、もう片手にiPhoneという状況で、スムーズに呼び出しボタンを押すのも大変だと感じた。iPhone本体をシェイクすれば、REX-SEEK2を呼び出せるような機能があっても良いかもしれない。